26日は風呂の日で、各地のスーパー銭湯では割引やサービス券の配布がある。公売や競売の情報を見ていると、加賀、飛騨、熱海、鬼怒川といった温泉旅館が売却に付されており、このような物件の落札について相談を受けることがある。20年ほど前であれば、高度経済成長時代やバブル時代の余韻があって、遠方に出掛けてスノーボードをした帰りに温泉旅館によるという旅行も流行るであろうが、経済が停滞して、若者が少なくなり、自動車や旅行に充てる時間や資金が乏しくなれば、このような温泉観光事業の規模はリスクになり、資産を維持することは困難を極める。売却物件の近隣の事業主体を調べれば、既に中国や韓国の資本が物件を買収をしており、海外からの観光組に向けた営業ノウハウがなければ経営は安定しないのであろう。日本の社会は既に若者世代に余裕はなく、近場に大江戸温泉物語などの温泉があるのに、敢えて温泉旅館に行くのかという費用対効果を見れば、往復交通費を掛けて、疲労してまで観光地に向かうのは見合わなくなったのかもしれない。温泉などの効用も帰宅の疲れで失われる。温泉に関する規制緩和もあり、数万円を負担するよりも、週末数百円でスーパー銭湯に行く方が、生活のクオリティは上がると考えるのだろう。若者に堅実さが失われていないのは幸いである。
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