2017年5月14日日曜日

アキレスと亀が情報化社会を疾走する

インターネットの普及で小売店舗や銀行や証券会社がサイトや物流に置き換わるような情報社会では、その対象がデジタル化、情報化、IT化された時点でアナログ的物理空間にある資産はサーバ上の情報空間に移動して物理空間諸共消滅する。全ては5インチの液晶画面に統合されて、かつて街でなされた人と人とのコミュニケーションは情報空間でのアプリケーションによる自動処理に移行する。この世界では、例えば東京から新幹線で大阪に移動するか、夜間バスで移動するかといった単位時間あたり速度は全く意味を失い、速さよりも早さ、即ち誰が一番乗りか、誰が一番早く気付くか、が問われて、その後に速度を上げても勝負に意味を持つことがない。オンリーワンショートトラックで、早く気付く亀が勝利して丸取りするだけで、アキレスの存在すら分からない。例えばソフトバンクがアームを買収するように。更に早くても二番目移行はコピーと戦うことになり、コピーとオリジナルの速度差が殆ど生まれない。チャップリンが黄金狂時代で、冬山の鉱山で生死を彷徨い、場所を忘れた鉱夫に見つけられて金山という情報を求めて連れ回される、二番目の情報では意味がなく、誰も知らない、情報圏外ということが価値を有する。もはやアキレスと亀の距離間に、愛は存在しない。

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