2016年12月7日水曜日

共有物分割請求

例えば実勢価格1500万円のマンションがあり、これが相続などの理由で共有物となり、更に公租公課の滞納処分で公売に付せられたので、不動産業者が相続人をあたり10分の9までを750万円で買い集めたところで残り10分の1について買収に失敗して公売により150万円で第三者に落札れた。その10分の1持分権者が共有物分割請求訴訟を提起すると買取による価格賠償か競売による換価を認める判決になる。その過程で買取を内容とする和解の可能性があるが、10分の1持分権者は表面上損が出るため300万円以下では和解に応じない。仮に判決となっても実勢価格が落札代金であれば損が出ない。では10分の9持分権者はどうなるか。仮に判決で売却となれば、その過程で鑑定費用の9割と不動産の短期譲渡所得に対する課税が発生する可能性が高い。そもそもの買取金額が低い為に損が出ないと考えるのは早計で、課税まで考えると売り機を強制されるのは不都合な場合がある。仮に個人であれば12月、法人であれば期末に売却が想定されるのであれば、税務負担を回避して持分買取に動く場合がある。大きいことがより不利に働く。買取金額は不合理に高く見えるが、会計上は已むを得ないという判断は、少数派の利益に働く可能性がある。

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